川口市(鳩ヶ谷地区)でエレクトーン・ピアノ教室をやっています、グリーンライト音楽教室主宰の清水南妃です。
先日、益子祥子先生の中級継続セミナーで念願の「調律体験」をしてきました。
もちろん「中級セミナー」ですから、調律のお話だけではなく、ショパンの時代のピアノはね?とかモーツァルトの時代のピアノはね?などピアノにまつわるお話も満載でお腹いっぱいのセミナーでした。
お話くださったのはふんわりゆったりな雰囲気を持つこのかた。
宮城賢太さん
ピアノ調律センター・エムパレス http://piano-tuning.jp/wp/
正面のお写真もあったのですが、お仕事してる感じがとてもステキだったので・・・
お話は幅広く、ピアノの構造そのもののお話だったり、調律はどのくらいの頻度でやったらいい?ピアノの寿命は?弦は錆びても音に大きな変化はないけれど、アクションの部品の方が錆びたら大きな変化があるなど、私たちピアノ講師には知り得ぬ事ばかり。
私は基本「メカ物」が大好きで、電源入るものが好きなのですが(笑)ピアノの中もバカっと開けるととても美しい精密機器のようで惚れます。
あのたくさんの部品の全てに名前があり、全てに役目があり、いらないものは何ひとつない。
なんてね、計算された様式美なんでしょうね〜。
そもそもピアノを手にしたのが年齢的に遅いため(18歳だったっけな?)調律はだ〜い好きで、興味津々で、いつも邪魔でしょ?くらい張り付いて見ています。
ああ。今でもね・・・
なので、うちの調律師さんは「ミニ調律体験」をさせてくれていました。笑
今回はアップライトとグランドと両方「少しだけ調律体験」
いやあ〜、力がいること!
かなり大きく力のある私でも、ハンマーを微調整することは困難・・・
よくこれを88鍵全部調整できるよなあ〜と感心します。
さらに整音も。
鍵盤の高さを揃えたり(いるよね?レッスン中、鍵盤を上にあげている悪い子ちゃん。いけないんだよ?)打鍵の深さを均一にしたり(薄い紙をフェルトのクッションの下に引いていきます)本当に1つ1つの作業が細かく繊細です。
調律師さんのたくさんの細かい繊細な作業で、ピアノは音を出すことができているんです。
宮城さん、おっしゃっていました。
「弦楽器や管楽器の方は手にしたその時からお手入れを学びます。けれど、ピアノはそれがないので、こういう機会に関心を持っていただければ・・・」と。
ピアノの先生でもね、そんなにくわしくピアノの構造って知らないんです。
大切にピアノの音を育てていくと愛着がわく・・・そんなこともおっしゃっていました。
エレクトーン育ちなのでね、そういう感情はなかったですね。
ピアノを手にして、調律師さんで音が変わるってことを知って、初めて「調律」ってものに興味が湧きました。
だから、私は「良い音」にこだわります。
育んだものは人って粗末にしないもんです。
それをうちの生徒ちゃん達に、保護者さん達にどれだけ伝えていけるのか?は私たち講師かな〜。
知らなければ伝えられないですからね。
電子ピアノも悪くないんですよ。
ただ、育てていくことはできません。出来上がったものだから。
それはエレクトーンも一緒。
メリット(良さ)が根本から違います。
今、調律師さんも少なくなってきて、育ている学校も学部が無くなったり募集をかけていなかったりしているそうです。
バッサリ書くけど、ピアノが売れないからね。電子ピアノ売れちゃっているからね。
私はエレクトーン育ちだからこそ、ピアノはピアノでって思います。
そしてそれを繰り返し、ブログでも保護者さんにも伝えています。
調律に限らず、日本は職人と言われる技術者が育つ土壌があるのに、だんだん放棄してきています。
もったいないなあ〜と・・
東北の地震の時、覚えていますか?
iPhoneの発売が遅れたのを・・・
ほとんどの部品を東北のある地域で作っていたんです。地震でダメージを受けてしまった。
それほどの技術力があるんですよ、日本。
技術力を静かに滅しているのは、ほかならぬ私たちなのかもしれません。
ピアノの材から調律、古きピアノまで、本当にたくさんのことに思い巡らすことができる貴重なお時間でした。